2023/12/6
僕はお金のことを全然しらない【きみのお金は誰のため】
こんにちは。
田内 学著「きみのお金は誰のため」を読みました。amazonで本を探していると、たまたま目についたので買ってみたのですが、今年読んだお金の本で、一番よかったです。
僕のお金に対する考え方に、新たな気づきを与えてくれました。まず、本書では、お金について以下の3つの真実を掲示します。
──お金自体には価値がない。
──お金で解決できる問題はない。
──みんなでお金を貯めても意味がない。
田内 学. きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 (p.20). 東洋経済新報社. Kindle 版.
この3つの内容を聞いて、皆さんはそれぞれの意味を説明できるでしょうか。周りの人よりは、お金の勉強をしてきたという自負があったのですが、これを聞いたとき全く意味が理解できませんでした。本書を読むことによって、これらの内容の筆者が示す意味を理解することができます。
お金に対する見方がかわった一冊です。
本日は、田内学著「きみのお金は誰のため」を紹介します。
ストーリーを通してお金の見方が変わる
本書は中学2年生の男の子「優斗」、金融系の仕事をしている「七海」、「ボス」の3人のやり取りで進められていきます。「ボス」の話を通して、優斗や七海のお金に対する理解が深まっていく流れになっていますが、物語調で解説されるので、とても読みやすかったですね。ストーリー自体も読みごたえがあって、最後まで目が離せないものでした。
僕のメモ
冒頭でお伝えしたお金の3つの真実の意味については、本書を読んでいただくことにして、特に僕自身に考えさせられた部分や気づいた事を紹介します。
インデックス投資は社会のためになっている?
投資について、本書では以下のように記載されています。
「もうからない投資は、社会への罪や」
田内 学. きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 (p.127). 東洋経済新報社. Kindle 版.
事業に投資すると、投資したお金によって多くの人がそこで働くことになります。そこで儲からない事業に投資してしまうと、無駄な労働が生まれてしまうことになります。そのことについて、本書では「罪」と述べています。
金融庁では今、金融教育に力が入れられており、その中でも長期投資や分散投資がおススメされています。分散投資を行うための手段の一つにインデックス投資があります。以前の記事で紹介した本「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、個人投資家にとってインデックス投資は一番利益を生む投資方法と書かれています。
個人にとっては、インデックス投資は利益を生む最善の投資方法と理解していたのですが、社会全体で見た時はどうなんだろうと疑問を持つようになりました。
少し調べてみると、やはりインデックス投資は一定の大企業に投資をされるので、有能なスタートアップ企業などにお金が回りにくくなるという側面もあるようです。
個人的投資家にとっては、最善の方法でも、社会全体でみると必ずしも最善とは言えないということが分かりました。
結果的に稼げる会社とは
Google、Amazon、Facebook(現:Meta)、Appleの創業者はお金持ち。この創業者が行った事業の共通点について、本書では以下のように書かれています。
「みんなを等しく便利にした会社の創業者が、結果的に大金持ちになったんや」
田内学.きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 (p.126). 東洋経済新報社. Kindle 版.
これらの企業は、情報、買い物、SNS、スマホそれぞれの分野で人々の格差を縮めた企業です。これらの会社が長続きできて、稼げるのは社会の役に立っているからということができます。
会社が長続きできるのは、社会の役に立っているからや。
田内 学. きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 (p.179). 東洋経済新報社. Kindle 版.
お金を稼ぐことを意識せず、人の役に立つことを意識したほうが結果的に稼げるようになったというお話はよく耳にします。
本書では結果的に稼げるようになるためのコツみたいなことも書かれています。
自分や家族のためにお金を稼ぐと考える人は多いと思います。その「自分」や「家族」のため~というマインドが強すぎると、地域や社会のために何かをしようという気持ちにはなりにくい。結果、いい仕事もできない。詳しくは本に書かれていますが、「家族」などを内側、それ以外を外側とすると、その内側の範囲を広くすることが重要だとしています。内側を広くする方法として、本書では以下の様に書かれています。
気候変動でも自然破壊でも、世界全体が直面しているような問題に興味を持って、未来を守るという目的を共有できれ ば、〝 ぼくたち〟は広がる。
田内 学. きみのお金は誰のため―ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 (p.182). 東洋経済新報社. Kindle 版.
これは、サラリーマンとしていい仕事をする上でも、必要だと思います。例えば、お客さんが直面している課題に興味を持たないでいると、長期的にみていい関係は築けないので、結果的に稼ぐこともできないように思います。
この本を読んで、文章も読みやすく内容は理解できるのですが、ますますお金のことがわからなくなった気分です。この本を読んでお金について、わかった気になってしまうのも良くないし、全て鵜呑みにしてしまうのも良くない気がしています。
ですが、確実にお金の見方を変えてくれる本です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。