2023/7/30
【書評】日本国紀(百田尚樹著)
こんにちは。
百田尚樹さんの日本国紀を読みました。
これまで百田尚樹さんの本は、「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」を読みましたが、どれも面白かったこともあり、今回、この「日本国紀」も手に取って読んでみました。
この「日本国紀」、個人的にはとても面白いと感じました。百田尚樹さんの本はどの本も読みやすい印象があったのですが、この本もとても読みやすくスラスラと読めました。
この本、日本の歴史に対する認識をアップデートしたい方におススメの本です。日本の歴史に対する知見を確実に深めることができます。
今回は、百田尚樹さんの日本国紀を紹介します。
ちなみにこの本、2018年の11月に初版が発行されていますが、その年の年末に安倍元総理も購入し読まれていたようです。
日本国紀の
私たちは何者なのか――。
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、
独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と
激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、
壮大なる叙事詩である!当代一のストーリーテラーが、
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平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!
本書は、古代から現代まで、日本国内で歴史上起きた大きな出来事がわかりやすく書かれています。また、筆者の想像や推察が特に日本の古代~大和政権誕生の部分が所々に出てきます。個人的には楽しく読ましてもらったのですが、読む人によっては、少し余分に感じられるかもしれません。筆者も本書で述べていますが、私個人的にも歴史の不明確な部分を想像して考えてみることは、歴史を学ぶ醍醐味の一つかな考えています。
筆者は日本が第二次世界大戦の敗戦から、世界第2位の経済大国にまでなったことに感動すると述べていますが、一方以下のようにも書かれています。
だが、敗れた日本が取り戻せなかったものがある。それは「愛国心」と「誇り」だ。
日本国紀 百田尚樹著
本書にも書かれていますが、第二次世界大戦の敗戦後、日本を占領したGHQの意向もあり、我々日本人には、自虐思想が植え付けられています。GHQが行った日本占領時の政策の中に「WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)」があります。この政策について、筆者はこのように述べています。
これはわかりやすくいえば、「戦争についての罪悪感を、日本人の心に植え付けるための宣伝計画」である。
日本国紀 百田尚樹著
私たちになじみのある「太平洋戦争」という言葉は、本来アメリカ側の呼び方で、日本側は「大東亜戦争」と呼んでいました。ただ、GHQは戦後日本側に「太平洋戦争」という言葉を使うことを命じ、「大東亜戦争」という言葉を使ったら処罰されました。戦後7年間、このような検閲が行われましたが、戦後70年以上経過した今でも、「大東亜戦争」と呼ぶ人は多くありません。
いかにGHQの検閲、処罰が恐ろしかったかわかろうというものだ。
日本国紀 百田尚樹著
本書を読んで、義務教育で学んでいた私の日本歴史のイメージが、戦後のGHQや国内メディアによってかなりコントロールされていたことを知ることが出来ました。
また、本書は通して、日本の民衆の正直さや誠実さ、勤勉さのなど日本人の素晴らしいところを再認識させてくれます。そのことにより、日本人が失った「愛国心」と「誇り」を取り戻させてくれる本です。
こういうと、日本のことを美化しすぎている本じゃないかと思われるかもしれませんが、逆に日本が良くなかったところ、残念だったところも書いています。
たとえば、1915年に日本が中華民国政府に対して出した「二十一カ条要求」について、理由は本書を読んでもらえればと思いますが、以下のように評しています。
それにしても当時の日本の外交のお粗末さには呆れるしかない。外交とは騙し合いの一種であるということが、単純な日本人には理解できなかったのだろう。
日本国紀 百田尚樹著
いいところも悪いところも書かれているので、どちらかに偏った本でもないのかなと思いました。
学生時代の歴史の勉強って単語をいかに覚えるかなので、苦痛しかなかったですけど、本書は歴史の面白さを改めて教えてくれました。
義務教育で培った歴史認識をアップデートするには最適の本です。
いかがでしたでしょうか。すこしでも参考になればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。