2025/5/1

女性の部下を持つマネージャーが知っておくべきこと

みなさんこんにちは。

世永亜美さん著の「働く女性のやる気スイッチ」を読みました。Kindleで購入しましたが、1日で体感1時間くらいであっという間に読めました。

この本を購入したきっかけは、4月に女性の新入社員が入社してきたことです。僕自身、部下として一緒に仕事をしてきたのが、これまで全員男性だったこともあり、女性を部下にもつマネージャーに求められることが有れば、知っておきたいという気持ちがありました。(本書の著者である、世永さんは部下とは言わないそうです。)

男性と女性で大きくマネジメントの方法に違いはないと思ってはいます。しかし、女性を部下に持つマネージャーとして、気をつけるべき点が有れば知りたいと思っていました。この本はそんな自分の期待に応えてくれる本でした。女性を部下に持つマネージャー向けの本はいくつかあり、女性が書いた本、男性が書いた本ありますが、まず女性目線で書かれた本を読みたいと思い、この本を選びました。

特に僕が本書を読んで良かったと思った点を中心に、紹介したいと思います。

「頂上を目指す」男性と「今を熱く生きる」女性

一緒に仕事をするメンバーを理解することは、チームワークの面で重要だと考えています。特にチームのリーダー的存在である上司が、部下を理解することは大切です。僕は男なので、異性である女性が仕事に取り組む上で感じていることを知ることは仕事を円滑に進めていく上で重要です。

まず、仕事に対する考え方に、男性と女性で違いが発生する可能性がある点について、本書では以下のように述べられています。

男性は頂上に登りたがるが、女性は頂上までの「心揺さぶる道のり」を求める

世永亜美 著「働く女性のやる気スイッチ」より

この文章をはじめに目にした時、正直理解ができませんでした。「いやいや、男性も心揺さぶるプロセスを大事にすることがあるし、女性も頂上目指したいのでは?」と思いました。

当然、女性・男性と一括りにしても様々なケースがあるので、一概には言えないのはわかっています。ただ、どうしてこのようなことが言えるのか、全く理解できませんでした。この男女で違いが発生する理由について、女性の人生は「決断の連続」と前おきした上で、以下のように述べられています。

自分だけでなく、夫や子ども、親など周囲の人に関わる理由で、仕事を続けるか否か、どう続けるかについて、何らかの決断を余儀なくされることが多々あります。男性だって同じかもしれませんが、女性が男性と決定的に違うのは、出産が人生の選択肢としてあることです。

世永亜美 著「働く女性のやる気スイッチ」より

「出産」は女性しかできない。このことは当たり前で誰しもがわかっていることでしょう。ただ、そのことが女性の仕事に対する考え方にどのように影響を与えているか、言語化して理解できている人は、あまり多くはないのでしょうか。結婚しても子供が産まれても仕事をし続けるという見通しが男性はある程度、立っています。

しかし、女性は必ずしもそうではありません。「出産」という選択肢があるがゆえ、「産休」は必ず取得することになります。男性の「育休」制度も拡がってきてはいますが、個人的な感覚ではまだまだ女性が中心に「育休」を取得している状況だと感じています。

30歳前後は仕事でも一番活躍できる時期かもしれない。その時期に「産休」「育休」を取得となると、男性を含む同世代に遅れをとることになります。同期がいれば、収入の差も出てくるかもしれません。夫、妻、それぞれの収入にもよりますが、同じくらいの収入同士で結婚したとなれば、夫の仕事を優先して、夫の転勤を理由に女性社員が退職することも十分にありえます。

このような立場に置かれている女性社員は、確かに「決断の連続」です。いつ結婚や妊娠するかわからない。極端に言えば、明日急に彼氏にプロポーズされるかもしれない。そんな中で仕事に取り組んでいます。このように女性は、先の人生で不確定な部分もあるので、長期的なキャリアを考えることがしづらくなっています。

そのため、女性に長期的なキャリアを聞く際は注意が必要ですし、それよりも「今」何をしたいかを聞く方が、効果的だと本書の筆者は述べています。

「自分はどうなりたいの?」「どんなキャリアを築きたいの?」と聞くより、「今、何をしたい?」「今、何ができるようになりたい?」と声がけする

世永亜美 著「働く女性のやる気スイッチ」より

結婚しても子供ができても、ひたすらに仕事に打ち込めばいいといった男性の考えとは異なります。そういった意味で、男性は頂上を目指しますが、女性は今を生きるのです。

今を生きる女性が仕事で求めること

このような多くの決断を迫られる女性が、仕事に求めることは何なのでしょうか。

上司に対して女性社員が持つ悩みの一つに「上司の熱量」が挙げられるそうです。これは、上司が自分と同じような思い仕事に向き合ってくれないといったもの。将来について不確定要素が多い女性たちは、目の前の「今」に真剣であることを前おきした上で、本書では以下のように述べられています。

人は、自分よりがんばっていない人を、すぐに見抜いてことごとく嫌ってしまうものです。それは同じチームの仲間に対してもそうだし、上司に対してはなおさら厳しい目線で見ています。

世永亜美 著「働く女性のやる気スイッチ」より

上司がやる気がないと、今を生きている女性にとっては、それが悩みになるようです。男性・女性問わないでしょうが、リーダーが熱量を持って仕事をすることは、組織にとって重要なポイントになりそうです。

また、今を生きる女性は特に「自分が成長できているという実感」を大事にします

マネージャーとしてはもちろん「成果」を上げさせたいけれど、ちょっと発想を切り替えて、「成果」より「成長」を軸にサポートしてあげれば、本人にとって「成果」までの道のりが充実したものになります。

世永亜美 著「働く女性のやる気スイッチ」より

小さな業務でもこれまで1人でできなかった業務が、1人でできるようになった。こういったことを言語化して、本人に成長を気づかせ、一緒に喜ぶ。こういったサポートが女性の部下を持つマネージャーにはより一層求められそうです。

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になれば幸いです。

About Me

sai

sai

1991年大阪生まれ。広島在住。2021年に第1子が誕生。
サラリーマンをしながら育児に奮闘中。週末の出来事や、子育てに関する情報など、日々の暮らし豊かにするための情報を発信します。
好きな食べ物はチキン。