2022/6/11

成果を出しているけど、給料が上がらないのは当たり前? 僕たちサラリーマンの給料の決まり方。

小暮太一さんの「人生格差はこれできまる 働き方の損益分岐点」を読みました。
自分の給料がどのようにして決まっているのか。成果を出しても月給が上らないのはなぜなのか。そのような疑問について、この本はマルクスの「資本論」をベースに解説してくれています。
私はこの本を読むまで、自分の給料は会社の利益をベースに決まっているものと思っていました。同じように考えている人も多いと思います。
でも、実は違うんです。
この記事では、サラリーマンの給料の決まり方から、資本主義社会で生き抜くためのメソッドについて解説します。メソッドについては、一部私の考えを含めたオリジナルのものになっています。この記事を読むことにより、給料に対する考え方は、かなり変わると思います。

そんなはずじゃない! 本当の給料の決まり方

結論から言います。日本の大半の会社の給料は、「生活に必要なお金」で決まっています。
生活に必要なお金というのは、衣食住に必要なお金や、養育費などの合計のこと。企業は社員に「生きていくのにこれくらいお金がかかるから、その分を給料として渡している」という意味です。
ここで、会社の利益とか社員がいくら稼いだかで給料が決まっているんじゃないの? 結果もらった給料を自分たちが住宅費や食費などに割振っているんじゃないの?と思う方がほとんどだと思います。
違うんです。
給料は私たちの努力や成果によって決まっているのではなく、「明日も同じように働けるためのお金」が企業から支払われています。
どういうことか理解するには、「資本主義」の本質について理解する必要があります。

マルクスの「資本論」における労働の価値

資本主義の本質を理解するには、マルクスの「資本論」を理解することが有効です。
まず初めに理解しないといけないのが、資本論で使われている「使用価値」と「価値」という2つの言葉。
使用価値とは、有益性・有用性という意味。「使用価値がある」というのは「商品を使ってみて意味がある、何かの役に立つ」ということ。
一方「価値」という言葉。資本論では、「モノの価値」というのは、「モノを作るのにどれくらい手間がかかったか」で決まります。
私たちの感覚ですと、「使用価値」の意味で価値という言葉を理解していますが、「資本論」の中では違うことに注意してください。

マルクスの「資本論」では、商品の値段は「価値」によって決まる。つまり、どれだけ手間がかかっているかで商品の値段が決まると言っている。
商品がどれだけ役に立つかで価格が決まっているという認識は間違いなんですね。
新型コロナウイルスの影響で、マスクの値段が上がったように需要と供給の関係によって一時的に変動しますが、それはあくまで付属的な要素です。
元々は、資本論でいう「価値」によって値段が決まっています。

全ての商品、この「価値」の積み上げて値段が決まっています。「おにぎり」ですと、原材料のごはんや海苔を作るのにそれぞれ手間がかかっており、それらは「価値」となり、「おにぎり」の価値に含まれています。
そして重要なのが、「おにぎり」の原材料の価値にプラスして「握る」など加工に必要な「労働力」という価値が加わるということ。
「労働力」というのは、価値があるから商品ということができます。
私たちサラリーマンはこの「労働力」という商品を企業に売っているわけです。
「労働力」が商品であるならば、この「労働力」の価値はどのようにして決まるのか。
「資本論」では、1日1日働けるような状態であるために必要な費用が「労働力」の「価値」だと考えられています。
毎日働けるような状態であるために必要な費用とは、衣食住の費用や養育費などなど。
私たちの「労働力の値段」つまり給料は、労働力の「価値」で決まっている。
そのため、給料は「生活で必要なお金」で決まっていると言えるのです。

いやいや、会社や仕事によって全然給料違うじゃん!と思いますよね。
例えば、医者の給料は高い。これは、医者になるためには、めちゃめちゃ勉強しないといけなくて、なるためにとても労力がかかっていて、その分が価値として給料に上乗せされているから。介護士はその逆。
その他、同じ営業職でも会社によって年収1000万の人もいれば500万円の人もいる。これは、年収1000万の人は500万の人に比べて、多忙で心身共に負荷がかかっているから「生活するのに必要なお金は1000万くらいいるよね」ってこと。
(能力給や成果給を認めている会社はあります。しかし、これは表面的かつ付加的な要素で「あくまで多少のプラスアルファ」にすぎません。)

資本主義社会で生き抜くメソッド

給料の決まり方は分かったけど、じゃあどうすればいいの?
ここからは、一部私のオリジナルの内容になります。

全部使っちゃだめ! 今から財布を太らせよう!

給料は「生活で必要なお金」で決まっていると言いました。その仕事ごとに、住居費や食費、娯楽費、交通費など世間一般的にみてどれくらい必要かを鑑みてその平均で決まっているということ。平均なので逆に言えば、全員がそれぞれの費用全て必要なワケではない。ある仕事の給料の中に含まれる娯楽費の平均が4万円で、それを給料として貰っていたとしても、Aさんは必要だけどBさんはそんなに必要ないかもしれない。Aさんは娯楽費は4万円くらい使うけど、給料の中の交通費は全く使わないかもしれません。
「給料上がったら貯金しよう」そう考えている人もいるかもしれませんが、前で言っている通り、給料が上がっている頃には、生活に必要なお金も多くなっています。
自分の中での「必要な経費」を明確にして、今から貯金を初めることが大切です。

貯めたお金は投資に!

お金持ちはお金を新たに生み出す「資産」を優先的に購入する。貧乏人は「資産」ではなく「負債」を購入する。

金持ち父さん 貧乏父さん より

貯めた資金は寝かさずに増やすべし

バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか より

「お金」に関する有名な2冊の本にもある通り、貯めたお金には働いてもらうことが大切です。今は銀行に預けていても、年利がかなり低いのでほとんど増えません。私は資産の大半をインデックスファンドで保有していますが、その話はまた別の機会に。

About Me

sai

sai

1991年大阪生まれ。広島在住。2021年に第1子が誕生。
サラリーマンをしながら育児に奮闘中。週末の出来事や、子育てに関する情報など、日々の暮らし豊かにするための情報を発信します。
好きな食べ物はチキン。