2024/1/21
デキる人が考えているコト【イシューからはじめよ】
安宅和人氏の『「イシューからはじめよ」知的生産のシンプルな本質』を読みました。
一言で僕なりにまとめると。著者の安宅氏はこの本で「僕らには時間がないから、取り組むイシュー(課題)の質を上げることが大事だよね」と言っています。
ページ数は250ページくらいある本なのですが読みやすく、僕は3日間くらいで読めました。
問題・課題に対して、どのように対応すべきかといった本は、多くありますが、この本はそもそも「その問題・課題の質はどうなの?」という問いを上げ、質をあげる方法も体系的に図解を用いてわかりやすくまとめてくれています。
本書を読んで、僕の中で面白かった点や感想をまとめたいと思います。
そもそも人生は短すぎる
世の中には問題が山積みで、全てこなしていたら時間がない。80歳まで生きたとしても、人生は約4000週間しかないわけで。会社でも、やみくもに足と手を動かして気合で仕事をこなせば、何か結果がついてくるだろうという人はいます。その方法で、結果は出ている人もいるかもしれないけど、本書でいう「イシューの質を上げる」ことによって、本当はもっと結果がでるかもしれません。
イシューの質を上げるための方法は、本書を読んでもらえればと思いますが、本書ではその他、「悩む」と「考える」の違いについて、以下のように述べています。
「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること
「考える」=「答えが出る」という前提のもとに。建設的に考えを組み立てること
安宅和人著 「イシューからはじめよ」知的生産のシンプルな本質より
確かに、仕事でも明らかに「答えが出ない」ことで悩んでいるメンバーは僕の周りでもいるし、僕自身もまったく悩んでいないとは言えない。ここでの「悩む」は、「客先の情報がない状態で、Aという商品かBという商品、どちらを提案したほうがいいか、会社の机の上で悩む。」みたいなことでしょうか。当然、そのまま悩んでいても答えは出るはずがありません。
これらの内容などから、「効果的に生産活動をしないと時間がないよね。」といった話が本書の冒頭で行われています。
なぜ、部下は教えられたことを覚えていられないのか。
この本は、どのようにイシューを探し、確定し、分析し、アウトプットするか、章ごとに順序だてて解説してくれています。個人的に、刺さったのが、その章ごとの間にあるコラムの内容。どれも良かったですが、1つめのコラムの内容が特に自分のなかで、腹落ちしたので、紹介したいと思います。
脳は脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。そしてその「意味がある」と思うかどうかは、「そのようなことが意味をもつ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる。
安宅和人著 「イシューからはじめよ」知的生産のシンプルな本質より
個人的な話になるのですが、僕は大学新卒採用された会社で営業系の職種で働き始め、今10年目になります。部下と会社の新商品の話をすることもあるのですが、優秀な部下でも「商品の特徴や強み」など一度開発者から教わったはずのことを、答えれなかったりします。「なぜだろう」と思ったりもしていたのですが、本書のこの内容を踏まえて、よくよく考えてみると、その部下はその新商品を提案した機会が少なく、その新商品の情報を「意味がある」と感じる機会に遭遇することが圧倒的に少なかったんです。そのため、その情報を認知できず、当然記憶にも残すことができなかったということが言えました。
そのような脳の特徴があることを理解することで、僕と部下のやり取りだと「勉強不足かな」と思いその部下を咎める選択肢だけではなく、「その情報を使う機会が少なかったのかな」と考え、提案の機会を増やせるようにマネジメントしてあげたりと、選択肢を増やすことができます。
あとは、実践するのみ
この本は、良いイシューを見つけて、どのようにアウトプットするかまでが体系的に書かれていますが、僕はこの本を読んだあと、何かスッキリしないというか、本当に理解したとは言えるのか?という気持ちがありました。
本書でも、この本を読んだ人の感想の例として以下の内容が紹介されていました。
「内容はそのとおりだとは思うが、腑に落ちた、真に理解した、という感覚になれない」
安宅和人著 「イシューからはじめよ」知的生産のシンプルな本質より
この手の本は、実際に自分ごととして実践し、落とし込まないと理解が進みません。やはり、理解した!と思えるようになるには、自分の周りのことで、実際に取り組むイシューを見つけ出して、考えてみることが必要です。その際に、本書の内容をいくつか活用して、手順をイメージできるといいですね。僕もやってみましたが、全てではないまでも本書の内容をいくつか使って、考え方のイメージをつけることができました。
読んだ本の内容を全て理解しないといけない!といった気持ちにもなりそうなのですが、そもそも本の内容を全て理解できることの方が少ないはずなので、そこは割り切って、欲張らず一つでも二つでも勉強になることがあればラッキーでいいのではないでしょうか。課題にぶち当たった時に、この本を思い出したらいいですしね。
最後に、安宅和人さんのこの本の元となったブログを紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。