2022/6/13

自己犠牲なんて無理!今の若者がプライベートを優先するワケ

「統計で考える働き方の未来」坂本貴志 著を読みました。
「ワークライフバランス」や「働き方改革」が叫ばれている中で、世間一般的に仕事とプライベートどちらも大切と考える人は増えてきています。中でも今の20代はプライベートを優先させたいと考える人が多いのではないでしょうか。逆に、新入社員の部下や後輩がいる方は、働き方に対する考え方が自分と違うと感じたこともあるのではないでしょうか。
なぜ世代によって働き方に対する考え方が違うのかこの本は解説してくれています。
この記事は、上司や部下の働き方についてモヤモヤしている方、働き方に対する考え方の移り変わりを知りたい方にオススメです。

死ぬまで働いて?生涯現役は国の思惑だらけ!

どうして世代によって働き方に対する考え方が違うのか。結論から言いますと、それは私たちの「定年時期」に対する考え方が変わってきているから。少し前ですが、令和2年の年頭記者会見で安倍首相は以下のように発言しています。

高齢者のうち8割の方が、65歳以上になっても働きたいという意欲を持っておられます。人生100年時代の到来は大きなチャンスです。この機に、年齢に関わりなく、意欲ある皆さんは働き続けることができる、生涯現役の社会をつくり上げる。

令和2年1月6日 安倍内閣総理大臣年頭記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

「8割の方が65歳以上になっても心の底から働きたい人がいる」とされていますが、この部分皆さんはどう思われるでしょうか。
例外もあると思いますが、人はお金に困らない生活ができるのであれば、早めに定年を迎えて悠々自適な生活を送りたいと考えるのが普通です。65歳以上の8割の方が働きたいのは、経済的に働かざるを得ないからなのです。
これの安倍首相の発言は、国の社会保障制度を支えるためという思惑があります。皆さんご存じの通り、日本の社会保障制度には課題があります。今の社会保障制度を支えるためには、①子供を増やす。 ②年金の支給額を少なくする。のどちらしかありません。①の子供を増やすは、今の日本では時間もかかり、現実的ではありません。そのため、政府は②を選ぶしかありません。しかし、年金額を少なくすると直ちに選挙に影響します。そういったなかで政府は「生涯現役」というフレーズをかかげて「高齢者にも元気で長く働いてもらう」ことは素晴らしいことであるように国民に認識してもえるように誘導しています。結果的に政府は「高齢者にも元気で長く働いてもらう」ことによって、年金の総支給額を減らせることができます。

僕らにはない?「黄金の15年」

ひと昔前までは、定年後~60歳からの15年間は「黄金の15年」と言われていたそうです。家族の扶養義務からも解放されて、かつ他人の介助も受けずに元気に活動できる期間です。
この頃の現役世代は、バリバリ仕事をこなせば、「黄金の15年」が待っていました。しかし、この「黄金の15年」は今の現役世代、特にゆとり世代にはないでしょう。国は生涯現役を掲げています。それを我々ゆとり世代は暗に感じています。「働きながらプライベートも充実させたい。」「ワークライフバランスを重視したい。」そう考える人たちが増えるのは当然のことです。死ぬまで働くワケですから。そんな中で、今40代~50代の方は微妙な狭間に位置していると思います。この世代の上司(団塊の世代)には「黄金の15年」がありました。40代~50代の方はこの団塊の世代の背中を見て仕事をしてきて自分の時間やプライベートを犠牲にすることが身に沁みついている人も多いのではないでしょうか。そのため、40代〜50代と20代など世代間で働き方に対する考え方に違いがでます。団塊の世代の背中を見て仕事をして自己犠牲が当たり前の人は、今の日本の現実を見ないといけないと思います。「俺の若い時は、寝ずに仕事してた」と部下に言って、仕事をさせようとしてもダメなんですね。時代が違うから。

いかがでしたでしょうか。仕事をする上で大切な、「働き方」に対する考え方の理解。この記事が、働き方に対する「世代間ギャップ」を埋めるためのお役に立てると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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sai

sai

1991年大阪生まれ。広島在住。2021年に第1子が誕生。
サラリーマンをしながら育児に奮闘中。週末の出来事や、子育てに関する情報など、日々の暮らし豊かにするための情報を発信します。
好きな食べ物はチキン。