2025/3/25

【「具体⇔抽象」トレーニング 】マネージャーに必要な抽象化力とは

「メタ認知」という言葉は、最近若者の間でも良く使われる。「メタ認知」の「メタ」は対象を離れたところから眺めること。自分を俯瞰的に見れているかどうか「メタ認知」という言葉で表現されていることも多いのではないだろうか。

この「メタ認知」とも密接に関係のあるスキルでもある「抽象化力」

細谷功さん著の「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書)は、ビジネスマネージャーとして仕事を行う人にとっても学べる点が多くある本だ。以下のようなことは、仕事でよくあることだが、本書を読めば解決の糸口が見つかるかもしれない。

・部下へ指示しても上手く伝わらない

・本社と営業現場で対立する

・チームで意思決定をする際の議論がまとまらない

指示には具体的な指示もあれば、抽象的な指示もある。それぞれメリット・デメリットがある。指示を受ける側が経験のある場合は、抽象的な指示でも行動に移せるかもしれないが、新入社員のような人にはある程度具体的な指示が必要なことが多い。

その他の状況だと、企業で本社は市場や会社全体の状況を鑑みて、営業方針を決定する。現場の営業は、個別のお客さんを前にしてよりリアルな世界をみている。本社は抽象的な市場全体をみて、営業は具体的な顧客をみている

これらのように、具体〜抽象の違いで議論が進まなかったり、上手く物事が進まないことがある。本書の内容では以下のように述べられている。

例えば、「客観的な一般論に対しての主観的かつ個別論からの反論」などはあまりに頻繁に起こっている不毛な議論ですが、ここでも問題はその当事者同士が「違う側面を議論していることに気づいていない」ことにあります。

細谷 功著「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書)

この市場は人手不足で困っている企業が多いので、この省力化できるこの商品の提案を推進しましょう。と本社の担当が方針を示した時に、現場の担当が「いやいや自分の担当しているA社は、人気企業なので人手不足に困ってなんていませんよ。」と反論するような光景はよく目にする。

大勢の人が参加する会議でこんな不毛な議論をされたら僕は時間の無駄だと感じる。先の例だと、現場の担当が具体と抽象のレベルを理解していないといえる。

僕自身も会社で関連部署で、いい悪いではないが、具体のレベルで仕事を進める人がいる。その人は、提案のフォーマットが確立されたものであれば、スピード感もあり、結果もそれなりに出す。しかし、ゼロベースで提案を行うといったシチュレーションでは問題が発生する。このようなシチュレーションでは、会社のコンセプトや強み等、やや抽象的な思考・提案が必要になるが、考えが具体のレベルから抜け出せず、表面的な課題解決に終始していまう。

1を聞いて10を知る」という言葉があるが、この本の具体⇆抽象の思考法を実践することで、1が「無限大」になるなのではないだろうか。この思考法を実践するとブログのネタも無限に見つかりそうな気もする。

具体⇄抽象を実践して、思考を深めるために、とても参考になるお勧めの書籍がベストセラーにもなっている「メモの魔力」だ。この具体⇄抽象の思考を実践して考えを深めるためのメモの取り方が具体的に書かれている。

この「具体⇄抽象」トレーニングはじっくり腰を据えて思考を深める人向けの本なのかというとそれだけではない。会社や家庭でも意見の相違があった際にその課題を解決するための手段が増やすことができる。この人は具体~抽象のどのレベルで物事を見て、そのように発言しているのか理解するだけで、課題解決に大きく近づくことができる。

「お前は間違っている」とか「この意見の方が正しい」といった「正しい」「間違い」の議論を始める前に、そもそもそれはどういう状況で起こっているのか、それを語っている人はどんなことを狙ってその行動をとったのか、その時にどんな制約条件があったのかといったことを十分に確認する。

細谷 功著「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書)

もっと早くこの本に出会いたかったと思う。

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sai

sai

1991年大阪生まれ。広島在住。2021年に第1子が誕生。
サラリーマンをしながら育児に奮闘中。週末の出来事や、子育てに関する情報など、日々の暮らし豊かにするための情報を発信します。
好きな食べ物はチキン。