2023/6/24

【管理職へおススメ】勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門の要約・感想

こんにちは。

田近秀敏 (著)「勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門」を読みました。

個人的なことですが、私最近、管理職になりまして、会議を開くことも多くなりました。

前の上司が行っていた会議に習って、なんとなく部下の業務の進捗確認をして、時にはアドバイスをしていましたが、ある時「会議の進め方は本当にこれでいいのだろうか?」「もっと効果的な会議の進め方はないのか?」と疑問に思うようになりました。

本書のタイトルである、チーミングはある教授の造語らいしいのですが、以下の様に定義されています。

チーミングとは、新たなアイデアを生み、答えを探し、問題を解決するために人々を団結させる働き方のことだ

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.12). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

非効率な会議をしていると、部下のやる気を下げることにもなりますし、何よりチームの成果にも影響してきます。

本書では、効果的な会議を行うには「」を身につけることが大事と述べられています。その「型」を繰り返し実践することにより習慣化し、自分のものにしていくことが必要です。

本日は、「勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門」をご紹介します。

会議はどういう場であるべきか

そもそも良い会議とは、どういうものか。本書では、以下のように記載されています。

会議を、参加メンバーの経験を振り返り、概念化して、次の経験に活かせるように計画する場にすること。これが、本書が目指す「本当に効果のある会議」です。

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.27). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

概念化するということは、経験した振り返りの結果の本質を体系的にまとめることです。この概念化は、次に生かすためのものでなくてはなりません。

経験を次の経験に生かすプロセスを指す「経験学習」という言葉があります。本書では、会議の場をこの「経験学習」の場にすることが、人や組織を育てると述べられています。

やっぱり大切な心理的安全性

会議の場を経験学習の場にするということは、どういうことか。本書では以下のように記載されています。

「参加メンバーが自発的に発言して、会議で話し合ったことを実行し、それを踏まえて、また会議で活発に議論をする。この繰り返しによってこそ、人も組織も成長していく」

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.24). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

会議を経験学習の場にし、人や組織を育てるためには、「自発的」に参加メンバーが会議に参加することは必須事項です。

さらっと書きましたが、この「自発的」に参加メンバーが会議に参加するというのが、難しいと感じられる方も多いのではないでしょうか。

本書では、参加メンバーが自発的に発言、実行、議論を行うためには、「心理的安全性」が不可欠としています。

本書では、心理的安全性が高い状態のことを以下の様に表しています。

「周りと違う意見を述べたとしても嫌な顔をされない」と会議に参加しているメンバーの大多数が感じ られている状態を、「心理的安全性が高い」と言います。

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.28). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

心理的安全性を高めるため、本書に記載されていた内容を含めて記載すると

  • 会議では他人を批判しないというルールをつくる
  • 参加メンバーが、会議を「経験学習」の場として認識する
  • 現状を個人の責任にはせず、組織の問題として捉える

そもそも会議を「過去の経験を生かして次の経験に生かす場」と認識することができれば、自発的に議論がしやすくなるのではないでしょうか。

また、課題に対して個人に責任を押し付ける雰囲気だと、部下は受動的になりやすいです。個人ではなく組織の問題として改善策を考える場にすることも必要と本書では述べられています。

身につけるべき会議の型とは?

冒頭でもお伝えしましたが、本書では効果的な会議を行うためには、「型」を習得することが必要としされています。効果的な会議というのは、メンバーが自発的に会議に参加することが必須でした。自発的な行動を促すために、筆者はコーチングのスキルが使えるとし、コーチングを以下のように定義しています。

ビジネス・コーチングは、「企業などの組織の管理監督者、あるいは先輩が、メンバーの指導・育成のために行なう相互の関わりを通して、対象者の目標達成、問題解決、技能向上を促進することを目的とするコミュニケーション」と定義できる

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.38). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

本書では、会議では、このコーチングの技術を使って、相手の話を聞き、相手を知るため・導くための適切な質問をすることが重要とされています。

この「適切な質問」をするために、筆者は「型」を身に着けることが大事とし、本書では以下の3つの「型」が紹介されています。

  • GROWモデル
  • POSERSEモデル
  • メタポジションプロセスモデル

それぞれの型の内容の詳細については、本書を読んでもらえればと思いますが、それぞれ実践ができるよう、わかりやすく説明してくれていました。

それぞれの型について、いきなり大人数の会議で実践するのではなく、まず1対1の会議で実践・習得することが良いと筆者は言います。

まずは1対1の会議の「型」を知ることが会議の達人への近道であり、最適な練習の機会にもなるのです。

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.37). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

単なるグループからチームへ

上記の「型」を実践することで、単なるグループがチームへ成長していきます。成長の過程で、リーダーが行うべきチーミングの方法も変わると筆者は述べています。

チーミングリーダーは、グループの成長段階についてあらかじめ知っておくことで、適切にチーミングを進めることができます。

田近 秀敏. 勝てるチームは会議でつくれ! チーミングリーダー入門 (p.130). 株式会社PHP研究所. Kindle 版.

グループの現状を認識して、リーダーはチーミングの方法を変えていく必要があるということですね。

本書では、「課題行動」と「プロセス行動」の2軸に分けて、グループの状況を明確にし、それぞれにおけるチーミング方法を解説してくれています。言葉だけだと、イメージし辛いと思いますが、本書では、わかりやすい言葉でチーミング方法まで解説してくれていたので、実践できそうな内容でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仕事をする上で必要な会議ですが、その方法について学ぶ機会は少ないです。(少なくとも私は、全くありませんでした。)

本書は、会議を効果的に行えるような方法、正しい会議の進め方を示してくれている本です。

会議を行う管理職の方々、特に新しく管理職になった方におススメの本です。

少しでも参考になればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

About Me

sai

sai

1991年大阪生まれ。広島在住。2021年に第1子が誕生。
サラリーマンをしながら育児に奮闘中。週末の出来事や、子育てに関する情報など、日々の暮らし豊かにするための情報を発信します。
好きな食べ物はチキン。