2026/3/2
なぜあの人は理解が早いのか
「理解が早いね」
会社でそんな言葉を聞くことがある。
同じ説明を聞いているのに、すぐに本質をつかむ人と、そうでない人がいる。違いは何なのだろう。
ある日、Spotifyの広告を聞いていて、その正体が少し分かった気がした。
「理解はやっ」と言われた瞬間
広告の中で、こんなやり取りがあった。
A「Spotifyって、私の好みに合わせて、プレイリストを作ってくれるんだ。」
B「それって、専属のDJみたいなものだね。」
A「理解はやっ。」
なぜBは“早い”のか。
理解が早い人は、頭がいい。頭がいい人というのは、多くの情報を早く処理できる生まれつきの能力かと思っていた。
前に紹介した細谷功さんの「具体⇔抽象トレーニング 」の本を読むことで、誰でも理解の早い頭がいい人になることができる。
【「具体⇔抽象」トレーニング 】マネージャーに必要な抽象化力とは
具体 → 抽象 → 再具体
Aの発言を分解すると、こうなる。
・Spotify
・好みに合わせる
・プレイリストを作る
これをそのまま受け取る人もいる。
でもBは違う。
いったん固有名詞を消す。
「これは、個人の好みを学習して、最適な選択肢を提案する存在の話だな。」
ここで抽象化が起きている。
さらにその抽象概念を、自分の知っているものに接続する。
「それって、DJじゃない?」
ただし大衆向けではなく、個人向け。
だから“専属のDJ”。
具体 → 抽象 → 別の具体。
この往復が一瞬で起きている。
仕事で差がつく瞬間
部下とやりとりしている中で、こういう状況はよくある。
部下:僕の相談の切り出し方が悪かったのかもしれませんが、取引先に値上げを相談したら、もっと早く言えと言われました。
私:で?
部下:・・・・
上司の私としては、感想だけ言われても困る。また、再発防止策を考えたい。
- なぜタイミングが遅れたのか
- どんなプロセスでこの結論に至ったのか
- 次はどう改善するのか
このように
「何が起きているか」 を抽象化して説明できるかどうかが、 職場で差をつける。
「一を聞いて十を知る」とは何か
このことを考えていると、「一を聞いて十を知る」という言葉が浮かんだ。
調べると、出典は『論語』。
論語 によれば、孔子が弟子の子貢に「お前と顔回はどちらが優れているか」と尋ねる。子貢はこう答える。
「顔回は一を聞いて十を悟りますが、私はせいぜい二くらいです。」
すると孔子は「そうだな、私もお前と同じだ」と言ったという。
一を聞いて抽象化して、自分の知っているもの十個に具体化する。くらいの意味かと思っていたが、孔子やその弟子の子貢でもせいぜい二となれば、簡単なことではないのだろう。
正直に言えば、「君は一を聞いて二くらいだね」と言われたら、少し傷つくと思う。
でも、子貢も孔子も二だった。それを知ると、少し肩の力が抜ける。









