2023/7/20
【なぜヒトラーはノーベル平和賞候補になったのか】まとめ
こんにちは。
武田 和弘著 「マネー戦争としての第二次世界大戦 なぜヒトラーはノーベル平和賞候補になったのか」を読みました。
この本は図書館で見つけたのですが、この本に出合うまでは、ヒトラーがノーベル平和賞候補になっていたことも知りませんでした。タイトルに興味を惹かれたのが、僕がこの本を手に取った理由です。
実際に読んでみると、歴史に詳しくない私にも理解できるよう、わかりやすい言葉で説明してくれていました。
本のサブタイトルは「なぜヒトラーはノーベル平和賞候補になったのか」ですが、本の中身としては「なぜ日本は第二次世界大戦に参加することになったのか」の内容が実は半分以上を占めています。
この本は、学校で習った第二次世界大戦やナチスの表面的なイメージや認識を改めてくれます。
本日は、武田 和弘著「マネー戦争としての第二次世界大戦 なぜヒトラーはノーベル平和賞候補になったのか」を紹介します。
「なぜヒトラーはノーベル平和賞候補になったのか」の答え
1938年にヒトラーはヨーロッパに平和をもたらしたとして世界中から賞賛されていたからである。その経緯を説明したい。
マネー戦争としての第二次世界大戦 武田知弘著
第一次世界大戦に敗れたドイツは、ベルサイユ条約によって、国土の13.5%を割譲させられていました。ヒトラーは、ドイツとの合併を希望している地域をドイツに併合させました。まず、オーストリアを併合させ、その次にヒトラーが狙ったのはチェコスロバキアのズデーテン地方でした。ズデーテン地方の住民には、ドイツ系の住民が多いのですが、第一次世界大戦の戦勝国であるイギリスやフランスの思惑により、チェコスロバキアの一部とさせられていました。ズデーテン地方の住民もドイツに合併したがっている中で、ヒトラーはチェコスロバキアに対しズデーテン地方合併のためには一戦も辞さない姿勢みせました。1938年にミュンヘンでイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの4か国で首脳会議が行われ、このミュンヘン会議でヒトラーは「これ以上の領土は求めない」という確約をし、イギリスとフランスはズデーテン地方の割譲を認めました。ドイツの周辺にはまだ、ベルサイユ条約で失った旧領土やドイツ系住民が居住する地域があるにもかかわらずヒトラーは「これ以上の領土は求めない」と確約をしています。この時、世界中の人が戦争が回避されたことを喜び、ヒトラーは賞賛されました。
ただ、この直後にドイツがポーランドに進行し、第二次世界大戦が始まるので、ヒトラーのノーベル平和賞受賞はなくなりますが、候補になった時期は確実にあったようです。
表面的な理解をしがちな事実
本書は、学校で学んだ様々なナチスや第二次世界大戦のイメージや認識を改めてくれます。
誤解されがちであるが、ヒトラーは武力革命で政権をとったのではない。
マネー戦争としての第二次世界大戦 武田知弘著
ヒトラーは政権は、選挙と法律によってドイツ国民から選ばれています。ドイツ国民がヒトラーを選んだことになります。ドイツ国民がヒトラーを選んだ理由も本書ではわかりやすく解説してくれています。
しかし、「ベルサイユ条約の破棄」や再軍備という発想はナチスのオリジナルというわけではない。
マネー戦争としての第二次世界大戦 武田知弘著
ナチスが政権をとってから、ドイツは強靭な外交を展開したり軍備増強が勧められたと思われている方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。ナチス政権より前から既に再軍備は進められていたそうです。
しかし、実際は、初期のころのナチスは意外に軍事費が少なかった。
マネー戦争としての第二次世界大戦 武田知弘著
意外でしたが、初期のころのナチスは軍事費が少なかったそうです。代わりに、福祉増進や公共事業にお金を使っていました。ヒトラーはアウトバーンの公共事業をかつてない規模で進めることで、失業対策を行っています。このことにより、失業率はかなり改善されたそうです。ヒトラーがこのような経済対策を行っていたことは意外でした。
いかがでしたでしょうか。冒頭でお伝えした通り、ナチスの内容の他、「なぜ日本は第二次世界大戦に参加することになったのか」についても多くのページが割かれています。
「ヒトラーは悪人だった。」で終わってしまうと、第二次世界大戦から僕たちは何も学ぶことはできません。
本書は、第二次世界大戦という大きな戦争が起こってしまった背景をわかりやすく解説してくれており、自信の歴史の認識を改めてくれる本でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。